2008年10月26日(日)

 世界の金融危機を誰よりも一番喜んでいるのが、麻生首相らしい。これで、思ったより支持率が低いまま衆院解散をしなければならない事態を回避できるだけでなく、「外交とか経済、これは麻生太郎が最も今、政治家の中では使える、と俺自身はそう思っている」と、なかなかご機嫌のようなのだ。
 それもそうだろう、「経済危機打開のために」という堂々たる大義名分のもと、税金を使いたい放題使えるのだ。もともと、役人と二人三脚でお金をばんばん使えば景気はよくなる、と信じている人なのだから、俺が首相になったとたん世界恐慌が来てくれて俺も運がついているなあ、というところだろう。
 むろん、財源のことなんか、考えない。景気がよくなれば税収が増えるんだから、心配するな、「将来は暗い、みたいな顔、するなって。暗い顔をしてるやつはモテない。モテたきゃ、明るい顔をしろ」。明るいからモテるうえ、うなるほど金を持ってるし、金の出所なんか心配したことないし、そんなの心配するのは暗いやつ、というわけだ。
 そんな具合に麻生首相が幸せであるのは何よりなのだが、私たちは自分の明日のことを考えなければならない。金の出所を心配しないわけにはいかないから。
 もちろん、急激に進行するこの経済危機に対しては、対症療法的な大規模の政策が求められるだろう。けれども、同時に、保険とか年金とか病院不足とか、これから長いスパンで解決していかねばならない問題を放置してはいけない。これらは結局自分たちの首を締める社会基盤だ。これらを、付け焼き刃の対症療法でしのごうとした結果が、現在ではないのか。
 そうならないためには、私たちが信任した政権に、じっくり取り組んでもらう必要がある。今の麻生政権は、信任を得ていない、とりあえずの内閣だ。だから、どんな政策を打ち出しても、来るべき選挙ための政策になってしまう。今、最もよろしくないのは、税金を「経済危機」の名のもとに場当たり的な政策に過剰につぎ込むことだ。
 危機のさなかに選挙をしている場合か、という意見にも一理はあろう。でも、場当たり的な政策しか打ち出せない短期期限の暫定内閣に、本腰を入れた危機対応ができるのか、と思う。任期を迎える来年の8月には、さらに世界の経済が緊急事態に陥っている可能性もあるのだ。私はこのような経済危機の暗闇の中を、気分だけはイケイケのその場しのぎ内閣に先導されていることのほうが、よほど不安である。
 しかも、公的資金投入のハードルを低くして、何と、都市銀行東京の危機を救おうという話まであるというではないか。都民の税金を無駄にした父親の愚行を、息子が国の税金を使って救おうという、二代目による国家財政の私物化の極みみたいなことまで許されるとしたら、二代目でも政治家でもない人間たちの存在は、何なのだろう。
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by hoshinotjp | 2008-10-26 22:36 | 政治