2008年12月10日(水)

   ◆管理中毒◆
 砂風呂遊びで中学二年生が重態となった事件や、今月(11月)初めの、川崎の中学校で一年生が机に飛び乗り、はずみで窓から転落死した事件。いずれも痛ましい出来事であり、二度と起こってほしくはない。
 だが、二度と起こらないためにはどうしたらいいのかと考えると、私にはよくわからない。転落事故は授業中に起きており、学校側の責任は免れられないだろうが、日常化する学級崩壊やいじめのことを思うと、教師の努力だけで防げるかと疑問になる。まして、休日に他校の砂場で起きた砂風呂事件は、学校側がどうにかできる問題ではない。にもかかわらず、こういう事故が起きると、学校の安全管理不足ばかりが強調される。
 確かにいじめを隠蔽したりと、学校の体質が信用できない面は多々あるにせよ、私はどうも腑に落ちない。ほんの十年ぐらい前までは、学校の過剰管理こそが問題視されていたではないか。いつから、管理が足りないという批判のほうが一般的になったのか。
 変化したのは学校ではなく、世間だと私は思う。大人たちは、自分が厳しい管理下に置かれているうち、中毒症状を呈し始め、自立を放棄して、自ら管理を求めるようになってしまったのではないか。
 これらの事故は、学校に限らず大人が、子どもを管理・干渉しすぎる結果、起こったという気がする。何が危険なのかを学ぶのは、子ども自身だ。大人が安全管理に過敏であるがゆえに、子どもが学んで成長する機会を奪っていると思うのである。まず必要なのは、大人の自立だろう。
(東京新聞 2008年11月14日付夕刊1面「放射線」)

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by hoshinotjp | 2008-12-10 23:48 | 社会