2009年4月27日(月)

 3月の自殺統計が警察庁より発表された。1月は2658人、2月は2480人と多いのだが、3月は心配されていたとおりさらに急増、3060人だった。
 去年から都道府県別、管轄署別に自殺者の統計が発表されるようになったのだが、全国で去年もっとも多くの自殺者を抱えた警察署は、愛知県の豊田署だという。言うまでもなく、管内にはトヨタがある。
 自殺をとどめるために、本当に有効な対策がとられているのだろうか? 国家は国民から巨額の借金をしてそのカネをばらまくようだが、それは選挙で投票に来られる者たちのためでしかないのではないか? 住民票も定かでない、死の瀬戸際を漂流している者たちには、無縁の話なのではないか?
 フィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を、20年ぶりぐらいに読み直した。石田徹也の絵を見たときのような、冷静ではいられなくなる胸の痛みに苦しい思いをした。
 精巧にできたアンドロイドと人間を識別する手がかりはほとんど何もない。ただ一つ、アンドロイドに欠けているのは、感情移入、共感共苦の能力。それを手がかりに、主人公はアンドロイドを探し出していく。しかし、人間であるはずの自分には感情移入の能力はある、と断言できるのか? なかったら、人間とアンドロイドを分ける境界は消える。
 私たちが今生きているのは、まさしくそんな世界である。私たちは共感共苦の能力を欠如させた政府に統治され、感情移入を拒む社会に生きている。
 そうでない社会がありうるのだと手応えを感じないと、人は生きていけない。何度でも言及するが、岡村淳さんのドキュメンタリー映画『あもーる あもれいら2』は、その手応えをもたらしてくれる。東京では、5月4日(月)、新小岩でのメイシネマ祭で上映される。詳しくはこちら
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by hoshinotjp | 2009-04-27 23:56 | 社会