2009年4月30日(木)

 新型インフルエンザに対する対応だが、拡大局面にあるのだから万全の体制を期するのは必要だとは思う。私も、来るかもしれない鳥インフルエンザ(H5N1型)の大流行に備えた予行演習というぐらいのつもりで、通常のインフルエンザと同じ程度の注意を払おうとは思う。
 にもかかわらず、「あまりにも大騒ぎしすぎだ」という感がぬぐえないのは、メディアの報道の仕方によるものだろう。メキシコ便から降りた乗客たちを、大事故で生還した人たちのように報道陣が取り囲んだり、アメリカからの帰国者で陽性反応の出た人がまるで犯罪者のように全身をすっぽり覆われて別経路で運ばれていく様子が隠し撮りのように撮影されていたりと、常軌を逸しているように感じられる。
 どうもこの社会は今、末法思想に飢えている気がする。黙示録を渇望しているように思える。オウム真理教の信者たちは、麻原彰晃の説くハルマゲドンの実現を信じ、現世は滅びるのだから、その手伝いをするというかきっかけを与えるというか、そういう行為は正しい行いだと見なした。そこには、現世は滅びればよいという、破滅を求める気分があった。けれど、教団外ではそれは異様な姿と映った。
 現在は、日本中が教団内部の世界と化したようである。だから、誰にもそれが異様であることが見えない。でも、それは異様な姿なのだ。破滅が訪れるのを恐怖心でいっぱいになりながら渇望している姿は。誰もが、我を忘れたいのだろう。恐怖が飽和してパニックになって理性を失ってでも、我を忘れたいのだろう。でも本当に必要なのは、なぜ自分が我を忘れたいと思うのか、を突き止めることだろう。さもないと、オウム真理教団と同じことをしてしまう。すなわち、外部を敵と見なして、皆殺しをいとわない攻撃を仕掛けるのだ。
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by hoshinotjp | 2009-04-30 23:04 | 社会