2009年 05月 05日
2009年5月5日(火) |
Jリーグ、清水エスパルス対ジェフ千葉。もう本当に残念で悔しい結果。私はオシム以来、ジェフのシンパだ。
ミラー監督がミシェウを下村に代えたとき、ものすごくイヤな感じがした(さらに深井を新居に代えたときも)。このイヤな感じ、ワールドカップドイツ大会で、アルゼンチンがドイツ相手に勝ち逃げしようとしてリケルメを下げたときに感じたのと同じ、あのイヤな感じだ。一昨年だかのチャンピオンリーグのリバプールの采配でも感じた、あのイヤな予感。サッカーではときどき見られる、文脈を断ってしまう選手交代。
ジェフは押されっぱなしにもかかわらず、先制点が入る直前の攻撃から、にわかに密度が濃くなっていた。得点の入る空気が満ち満ちていた。だから、斎藤大輔のすねボレーが入ったときなど、私はまるでもう事前に幻視した得点を見ているかのような気分だった。ミシェウの追加点も、スローモーションのようだった。何かが取り憑いたチームは、まわりの動きがゆっくりに見えるような幻覚をもたらす。2002年のチャンピオンズリーグ決勝の、ジダン伝説のボレーシュートのように。
ジェフの選手はあの時点でみな、地上の法則など無関係のように軽やかに動き、疲れと無縁に見えた。どの選手も、気力が充実してノッていた。そのまま交代なしでもいけただろう。一方のエスパルスは、優位だったはずなのに次第に試合を支配され、何をしてよいのかわからない状態だった。やることがどんどんちぐはぐになっていった。
なのにミラーは、飛翔している最中のミシェウを代えた。下村を入れて、「何としても守り抜け。またしても追いつかれるなんてことだけはないように」というメッセージを送った。そのとたん、地上の法則と無縁に飛んでいた選手たちは我に返り、自分たちが地上の法則に縛られた存在であることを思い出した。憑き物は落ち、選手たちは理性で一生懸命に守った。その結果が、残り10分で追いつかれてのドローである。
あまりにも守りきれずに追いつかれる試合が多いが故に、ミラーも、この試合こそはという思いで、早めに万全を期そうとしたのだろう。けれどそれが、ジェフの選手たちの没我状態を壊すことになってしまった。
勝ち切れていたら、ジェフにとって今シーズン一番よい試合となっただけでなく、選手たちが自分たちのサッカーに自信を持つことができただろう。これ以降の試合では、ワンステージ上のサッカーができるようになったかもしれない。選手たちは試合中に何かをつかみ、手応えを感じていたはずなのだ。それを逃したことはとても残念だ。ミラーには、もうちょっとだけ、選手を信頼してほしかった。
あとは大分、何とかがんばってくれ。
ミラー監督がミシェウを下村に代えたとき、ものすごくイヤな感じがした(さらに深井を新居に代えたときも)。このイヤな感じ、ワールドカップドイツ大会で、アルゼンチンがドイツ相手に勝ち逃げしようとしてリケルメを下げたときに感じたのと同じ、あのイヤな感じだ。一昨年だかのチャンピオンリーグのリバプールの采配でも感じた、あのイヤな予感。サッカーではときどき見られる、文脈を断ってしまう選手交代。
ジェフは押されっぱなしにもかかわらず、先制点が入る直前の攻撃から、にわかに密度が濃くなっていた。得点の入る空気が満ち満ちていた。だから、斎藤大輔のすねボレーが入ったときなど、私はまるでもう事前に幻視した得点を見ているかのような気分だった。ミシェウの追加点も、スローモーションのようだった。何かが取り憑いたチームは、まわりの動きがゆっくりに見えるような幻覚をもたらす。2002年のチャンピオンズリーグ決勝の、ジダン伝説のボレーシュートのように。
ジェフの選手はあの時点でみな、地上の法則など無関係のように軽やかに動き、疲れと無縁に見えた。どの選手も、気力が充実してノッていた。そのまま交代なしでもいけただろう。一方のエスパルスは、優位だったはずなのに次第に試合を支配され、何をしてよいのかわからない状態だった。やることがどんどんちぐはぐになっていった。
なのにミラーは、飛翔している最中のミシェウを代えた。下村を入れて、「何としても守り抜け。またしても追いつかれるなんてことだけはないように」というメッセージを送った。そのとたん、地上の法則と無縁に飛んでいた選手たちは我に返り、自分たちが地上の法則に縛られた存在であることを思い出した。憑き物は落ち、選手たちは理性で一生懸命に守った。その結果が、残り10分で追いつかれてのドローである。
あまりにも守りきれずに追いつかれる試合が多いが故に、ミラーも、この試合こそはという思いで、早めに万全を期そうとしたのだろう。けれどそれが、ジェフの選手たちの没我状態を壊すことになってしまった。
勝ち切れていたら、ジェフにとって今シーズン一番よい試合となっただけでなく、選手たちが自分たちのサッカーに自信を持つことができただろう。これ以降の試合では、ワンステージ上のサッカーができるようになったかもしれない。選手たちは試合中に何かをつかみ、手応えを感じていたはずなのだ。それを逃したことはとても残念だ。ミラーには、もうちょっとだけ、選手を信頼してほしかった。
あとは大分、何とかがんばってくれ。
by hoshinotjp
| 2009-05-05 23:28
| サッカー・スポーツ