2009年11月7日(土)

 秋葉原の無差別殺傷事件の加藤智大被告が、被害者に送った謝罪文(要旨)を東京新聞で読む。
 きわめてまじめで臆病な印象を抱く。物事にいい加減になれない性格なのではないか。だから気にしなくていいことも気にし、傷つきやすくなる。
 最も痛々しく感じたくだり。
「家族や友人を理不尽に奪われる苦痛を想像すると、私の唯一の居場所だったネット掲示板で、「荒らし行為」でその存在を消された時に感じたような、我を忘れる怒りがそれに近いのではないかと思います。もちろん比べられるものではありませんが、申し訳ないという思いがより強くなります。」
 加藤被告は、大切な人を奪われた感情を想像しようとして、本当に精一杯、自分が生涯で最も苦痛を感じた体験を思い起こそうとしたのだろう。そして、ネットで存在を否定された時の体験だと結論したのだろう。彼にはそれしか、人と接して苦痛を味わう場がなかったのだ。それほどまでに、「居場所」がなかったと認識していたのだ。奪われて苦痛を感じるような関係の人間が、彼にはいなかった。
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by hoshinotjp | 2009-11-07 23:31 | 社会