2007年7月29日(日)

 参院選、自民党が歴史的大敗。それでも党の最高責任者である総理が首相続行を表明するという、これも歴史的に異様な事態。安倍首相の言い分を翻訳すると、私には次のように聞こえる。
「俺は教育改革や憲法改正がやりたいんだ。それが得意なんだ。年金問題なんていう俺には直接関係のない問題で負けたのはとばっちりであって、本当の負けだとはとうてい認められない。だから悪いけど辞める気はないね。参院選、投票した人の気持ちはわかるけど、衆議院議員とは関係ないからね」
 この人の特質は、他人の気持ちがわからず冷たいこと、言葉などどうにでもなると軽視していること、だろう。
 選挙で負けた理由を本当に考えるよりも、どうして俺は理解されないんだ、なぜ俺の得意分野を見てくれないんだ、とそのことばかり考えているように見える。
 安倍首相はしばしば、問題視されている大臣について、「任命したわたくしにも責任がある」と言っているが(今日も言った)、「責任」とはどういう意味なのか、まったくわからない。そう口で言うだけで、それを受けて何かを変えるという態度はどこにもないからだ。
 議会の形式を繕えば何をしてもいい、責任という言葉を口にしていれば実態はどうでもいい、約束とは後からいくらでも変えられるものだ……。どこを取っても、この人には、言葉できちんと信用を築いていこうとする意志が窺えない。そういう生き方をしてこなかったのだろう。「身分」の違う人には必要のない努力なのだろう。
 ただ、衆議院選が行われるまでは、首相が退陣しようが続投しようが、自民党・公明党が政権を維持することには変わりがない。あとは有権者の意識がどれだけ持続するかにかかっている。瞬間的に熱狂しやすい今の日本社会では、選挙が終わってしまえば、安倍改造内閣でちょっと目新しい人事が行われたりすれば、簡単に支持が上がっていくような気がしないでもない。そうやって、有権者が舐められて、選挙や議会という民主主義が失われていくことにならないよう、有権者自身が自分の投票行為に責任を持ち続ける必要があるだろう。

 ところで、サッカーのアジアカップ決勝戦、イラクがサウジアラビアを破って初優勝。見ていてじーんと来た。イラクのサッカーは強かった。日本がもし決勝に出ても勝てなかっただろう。イラクは、日本に欠けている高いモチベーションと鋭い出足に満ちていた。明らかに日本戦の勝利でカタルシスを得てしまったサウジは、勝負への執念で負けていた。
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by hoshinotjp | 2007-07-29 23:51 | 政治