カテゴリ:政治( 74 )

 それにしても柳田発言にはまるで自民党時代みたいだと空しさを感じている人が多いことだろう。あの手の空虚な失言で大臣が辞めるということを繰り返し、政治が機能しない状態に愛想を尽かした、ということも政権交代を有権者が望んだ理由の一つだったはず。わずか1年ちょっとで同じような事態を目にするとは。
 そもそも、なぜこんな人間が大臣に任命されたのかわからない。鳩山内閣はそれでもまだ大臣の顔ぶれに期待を抱ける要素があった。その人たちが期待にかなう仕事をできなかったことが失望の原因ではあったが、閣僚によっては、期待にかなうのにはあまりに時間が足りなかったという側面もあった。
 だが、今の内閣は、そもそもこの人がなぜこの閣僚をしているのかよくわからない、という、発足時から期待の持てない雰囲気があった。人選に小沢氏のアンチかシンパかという人事的理由が色濃く出ていたのも、鳩山内閣発足時の、適材適所を優先した人選からはほど遠いやり方だ(鳩山内閣がいいというのではなく、民主党政権の存在理由はそこにあった、という意味)。烏合の衆の政党は、結局はこうなるしかないのだろう。解散総選挙は近いと思う。もううんざり。選択肢は皆無。政治に対してどんなスタンスを取ればよいのか、途方に暮れる。こういうときは「ビルマVJ」を思い出して、虚無に陥ることが最悪の事態を招くのだ、と自分に言い聞かせる。
 加えて、こんな発言ばかりがニュースとなって、肝心の法案の内容などがメディアの報道から漏れていく事態に、さらに空しくなる。こんな国会をしている議員たち(与党も野党も)の異常さを断罪し、メディアが国会に代わって政策の問題点を論じるぐらいしてもいいのではないか。
 民主制の自死が近づいている。これを終わらせたら、苦しむのは有権者及びこの社会に暮らす住民全員である。淡々と、自分にできることをしようと思う。
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by hoshinotjp | 2010-11-18 23:31 | 政治
A「おおい、ついに殺人犯を捕まえたぞ」
一同「本当か!」
A「ほら見ろ、間違いない。目撃証言とそっくり同じだ」
一同「ほんとだ。確かにこいつが犯人だ。さらし者にしてやろう!」
B「まずは裁きにかけないとまずいでしょう」
A「何言ってるんだ。裁きの手に渡ったら、証拠不十分で刑が軽くなる可能性が高いんだぞ。だから裁きの手に渡る前にと、俺が必死で捕まえたんじゃないか」
一同「そうだ。裁きは信用できない。能力が足りてない」
B「確かに能力は足りてないけど、うちら自分たちで決めたルールだろ。私刑は禁止、何人も裁きにかけられるべしって。裁きの連中だって、うちらが選んだんだし」
A「だから無能だったんだよ。もうお役ご免なんだよ。さもないと、こんな危ない連中がのさばって、俺らがやられちまう。自分がやられちまうって時に、おまえはルールを優先するのか? だから優等生は嫌なんだ。いつも誰かに何とかしてもらおうと思ってやがる」
B「誰か、じゃないよ。自分たちで決めたルールは、自分の責任だろ。お役ご免なら、ルールに従ってお役ご免にすればいいじゃないか。そういうルールも作ったじゃないか」
A「そんな悠長なこと言ってられないんだよ。緊急事態なんだ」
B「緊急じゃないよ。もう身柄確保したんだから」
A「おい、みんなはこいつをどうしたい? Bの言うように裁きにかけるか?」
一同「冗談じゃない! 無罪放免だってしかねない連中だ。われわれの手で裁こう!」
A「世のため、人のため、俺たちで裁いていいか!」
一同「おう! 目にもの見せてやろうじゃないか」
A「俺はこいつを死刑に処すべきだと思うが、みんなはどう思うか?」
一同「死刑だ!」
一同「それも公開処刑だ!」
一同「われわれの恐ろしさを見せつけてやる!」
一同「われわれをなめるとどうなるか、思い知らせてやる!」
A「俺たちこそが、ルールだ!」
一同「そうだ、われわれこそがルールだ」
A「いつまでもいいようにされてたまるか!」
一同「われわれの声を聞け!」
一同「Aこそがわれわれの声を代弁している!」
A「俺はみんなの良心に従ったまでだ」
一同「Aについて行くぞ!」
一同「おお! Aについてくぞ!」

 日本は文民統制の国である。議院内閣制を取っている。たとえ、その政権が無能でも、選挙で公正に選ばれた以上、政権に対して、有権者も責任を負っている。政権が無意味だと感じて替えたければ、しかるべき手続きを経る必要がある。
 それをせずに、重要な政策を、政権も議会も無視して勝手に決めて遂行するのは、軍部が内閣を無視して勝手に事変を起こして侵略する行為と等しい。それを正しいと決めるのは有権者であり、その意思表示と権力行使は最終的には選挙を経る以外の方法はない。これは法治国家として、最低限にして最後の歯止めである。
 暴走する軍部を英雄視すれば、首が絞まるのは自分たちである。
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by hoshinotjp | 2010-11-10 23:43 | 政治
 尖閣諸島事件のビデオを何者かが流出させた件について、政治家を始め、ちまたの人々からも「よくやった」という評価がかなりの程度見受けられるさまを見ていると、これは昭和初期の「白色テロ」だなあ、と感じる。政党政治への不信から、法を無視して、実力行使で政治経済の権力を自分たちの手に奪い返そうとする行為である。
 政党政治は建前上は、多様な主義主張を、議会という話し合いの場で調整しましょう、という制度だから、その否定とは、「多様な主義主張は認めない」、あるいは「多様な主義主張を暴力で決着つけましょう」となる。全体主義か独裁である。
 政党政治が信じるに足る存在ではないのは、私も含め、誰もが感じていることだろう。もう終わっている自民党には退場してほしいが、烏合の衆に過ぎない民主党も、有権者の期待にほとんど応えられないでいる中、ではどの政治家を選べばよいのか、選択肢のなさを痛感している。
 まともな政治家がいない。それは確かだ。ただ、では、政治家って何なんだ、と考えると、たんに「政治家が悪い」とばかりも言っていられない気がしてくる。民主政治では誰にでも、投票する権利の選挙権と、有権者の代表となりうる被選挙権の両方がある。被選挙権を行使しないのは、投票によって自分の主義主張を他の人に託しているからだ。もし誰にも託せないのなら、自分が主義主張を述べる立場になるという選択肢が残っている。
 もちろん、資質だとか、資金だとかの面から、立候補したくたってできない人のほうが大半だろう。それならば、自分の主義主張を代弁して実行してくれる人を育てていかねばならない。
 日本の社会は、この「有権者が政治家を育てる」という部分を、何十年にもわたって怠ってきた。だから、政治家にお願いすることは多くても、自分がやるのだ、自分も議員ではないが政治に参加して責任を負う当事者なのだ、という政治意識があまり育ってこなかった。
 それが民主党政権に体現されていると思う。それで民主党がうまくやらないといって癇癪を起こして、政党政治という話し合いで解決する場を捨て、実力行使に出るのでは、まるで言葉では意思表示できない子どもではないか。
 法を無視した超法規的行動を認め、代表制民主主義の権力を無視した国家、というと、思い浮かぶ例は北朝鮮などである。英雄的行動を望む短絡的な衝動は、あのような社会を招き寄せてしまう。
 とはいえ、新しい政治を育てる余裕を持っている人は、今の社会では少ない。明日が不安な状況に追い込まれて、精神的にも経済的にも、待つだけのゆとりはないのが現状だ。
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by hoshinotjp | 2010-11-07 12:22 | 政治
 湯崎広島県知事が育休を取ると宣言したこと(すでに子どもは産まれ、湯崎知事は早速時限的に育休を取っている)に対し、橋下・大阪府知事が「世間では育休を取りたくても取れない人がいるのに、世間知らずだ。首長はみんなが育休を取れるような環境を作ってから取るべきだ」という趣旨の発言したことに対し、何とも言えぬ違和感を感じる。
 私が就職した二十数年前、一般的に会社には、その職場でみんなが残業していると一人だけ仕事が終わったからといってすぐには帰りにくい、という風土があった。特に、上司がいると、先に帰るなんてことはほぼ不可能であった。このため、何となく会社に残り、その結果会社にいる時間がやけに長く、家庭で費やす時間が少ないのが、日本の平均的なサラリーマン生活だった。そしてそれは、日本社会のメンタリティでもある。
 時短が言われた90年代になって、長時間労働を減少すべく、とにかく上司が率先して仕事を切り上げて帰る、ということが奨励された。周囲の視線で自分の行動を決める傾向の強い日本社会では、自ら突出しようという者はきわめて少なく、横並びでないと決断が難しいのである。
 男が育休を取りづらい原因の一つには、この横並び意識が障壁となっていることもあるだろう。そうである以上、まず、取りやすい立場の者から取ることで、他の者たちも取りやすくする、という手順はやむを得ないと思う。
 橋下知事の発言は、真意はいろいろあるのだろうが、私には、「横並び意識を守れ」という意味あいも含まれているように感じられた。その後、広島県庁に寄せられた意見が、8割は「知事の育休取得反対」で、その理由が「取りたいのに取れない人がいる」という結果だったのは、橋下知事の発言も影響していないとは言えないだろう。
 私はここに悪い意味でのポピュリズムを感じる。世の人の、羨望や恨みといった弱みに訴えかけることで、感情的にさせ、その熱狂の力を自分の味方とするのである。橋下知事は知事以前から、しばしばこの手法を使っている。人々のこういう感情に火をつけてしまうと、冷静に「知事が育休を取るべきかどうか」を議論することは難しい。
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by hoshinotjp | 2010-10-29 22:31 | 政治
 25年ぐらい前、『東京に原発を』という本があった。フリージャーナリストの広瀬隆氏が、原発反対の立場から、「原発が事故の可能性は少なく安全ならば、一番電気を使う東京に立てれば合理的じゃないか」と反語的に述べ、原発のリスクを当事者だと思っていない当事者に考えさせる本だった。
 この本に倣って、私は「東京に米軍基地移設を」と述べたい。「抑止力」なるものの恩恵を受ける人が最も多い地域の人間が、最もリスクを負うのが自然ではないのか。代々木公園か新宿御苑をつぶして滑走路を造るとか、湾岸をさらに埋め立てるとか。辺野古を埋め立てるというのは、そんな事業に匹敵するだろう。むろん、これは半分はレトリックだから(半分は本気)、軍としての効率など考慮に入れていない。
 ただ、軍としての効率の観点から辺野古じゃなきゃ駄目なのだ、という理屈も、なにやら怪しい。今朝の東京新聞に「「抑止力」になってる?」という記事が出ていて、これを読むと、海兵隊の大半が長らくイラクやアフガンに駐留、日本に残っているのは3分の1ぐらいだというのだ。主力をグアムに移しつつある海兵隊は、自民党政権時代に日本の要望で形だけ少数残っているのが実情らしい。
 つまり、実際のところ米軍の存在は日本にとってどのぐらい有用なのか、私たち一般人はろくに知らないということだ。
 鳩山首相の無能を責めるのはもっともだ。私だって、この人は首相として能力を欠いていると思う。だが、鳩山首相が無能だから、移転は無理でしょう、という話ではもう済まされないのだ。そう言えるのは、基地が自分のところに来るはずがないと思っている立場だからだ。そのお気楽さは、鳩山首相のお気楽さよりもたちが悪い。米軍基地を沖縄に集中させてきたのは、私たち有権者の無意識でもある。そのことを自覚しなければならないのが、今回の普天間問題解決の第一歩である。今回の移転問題以降、私たちはもう無意識に忘れてしまうことは許されない。
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by hoshinotjp | 2010-05-10 23:11 | 政治
 名護市長選で、辺野古への基地移設反対派の稲嶺氏が当選。沖縄ではこの10年ぐらい、知事選を始めさまざまな首長選挙で、自民党系の「振興策と引き替えに基地容認」の候補が当選することが多かった。基地があって構わないというのが沖縄の民意だとはとても思えなかったが、苦渋の決断であれ、住民が自らそのような選択をするのならそれは仕方がない、と感じたりもしてきた。
 だが、やはり、その選択は過酷な現実にさらされた住民たちが消耗し、疲れきり、半ば諦めるような気持ちで行われたものだった、ということが、今度の名護市長選の結果、見えてきた。密室の取り調べ室で「おまえがやったんだろ?」と延々と言われ続けているうちに、「はい、やりました」と答えたほうが楽になるんじゃないかと思い始めて、とうとう「やりました」と言ってしまうようなものである。八つ場ダムも同じ構図だっただろう。それは、住民が自らの意思で選んだ結果だとはとうてい言えない。
 鳩山政権は、「振興策と引き替えに」という呪縛を取り除いた。そのとたん、沖縄じゅうがそれまで見ないようにしていた自分たちの意思を、見つめ始めた。そしてそれを表明している。
 政権交代が行われたことの最大のメリットは、これまで自民党政権下で、あたりまえだ、普通のことだ、と思われていたことが、じつはあたりまえでも普通でもなく、誰かが自分たちの利益のためにそうしてきただけだったと判明したことだろう。あまりに長い間、自民党政権というその現実が続いてきたせいで、有権者にも政治家にも、その現実の異様な部分が見えなくなっていたのだ。一種の洗脳と言える。どの党に交代するのであれ、政権が変われば、その洗脳が解けるわけである。
 沖縄の基地問題は、戦後60数年、疑うことを許されなかった現実である。60数年掛けて、沖縄の地にべったりと固着してしまった。それを引きはがそうというのだから、地震が起きるぐらいの揺れはあるだろう。どんな政権が手がけても、簡単にうまく行くような話ではない。だからといって、それまでの話を自動的に進めることはもう限界だった。現状の迷走はある程度必要な過程だと思う。
 鳩山政権の問題は、沖縄基地問題の呪縛を解いたことにあるのではなく、その解決策を何ら検討しないまま、いきなり呪縛を解いたことにある。つまり、基地を県外に移設するのか、だとしたらどこに移すのか、あるいは国内の米軍基地全体を縮小したいのか、では日米安保をどう捉え直すのか、といった、当然予想されうる根源的な課題をさして検討もせずに、呪縛を解いた。その結果、現状が固着されるとしたら、結局、沖縄の住民に諦念を再び強いることになりかねない。
 が、もう動き出した以上、できるだけ根本から解決する道を探るしかない。泥縄式に仮の措置を連発するのは、最悪である。
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by hoshinotjp | 2010-01-25 23:09 | 政治
 小沢一郎氏周辺の「事件」で思い出されるのは、山本穣司氏(当時、民主党代議)士や辻元清美・社民党代議士が、秘書給与詐欺の容疑で逮捕された「事件」である。厳密に法に照らせば違法なのかもしれないが、詐欺と呼ぶには騙された人間がいないし、なぜ、それらの議員にだけ法が厳密に執行されたのか、という点で、検察組織の恣意性(気まぐれさ)が明るみに出た出来事だった。政治と金の問題でいえば、もっと悪質で問題視すべき有力な政治家が多々いるだろうに、という不信感が根強く残った。ビラを配った者やデモを行った者を逮捕した事件でも、同じような恣意性が見られる。法を厳密に施行するなら、例えば飲酒喫煙をした20歳未満の大学生は全員逮捕されなければならない。証拠隠滅の恐れ云々は、「逮捕」という事実を作り上げるための方便に他ならない。
 鈴木宗男代議士の「事件」では、国策捜査という言葉が定着したが、特定の誰かの強い意思を体現して行われる「国策」というニュアンスより、もっと漠然とした空気が検察という権力組織を動かしているように感じる。他の官僚組織同様、自らの組織防衛という空気である。現状の既得権益を維持するという保守性である。その既得権が侵されそうになると、過剰な攻撃性を表す。この空気の微妙な動きで、検察の恣意性が発揮されたりされなかったりする。特に警察や検察は、自分たちのメンツをつぶされることを極端に嫌う。メンツを保つためなら、公正な取り締まりよりも、事実の捏造を選ぶケースも少なくない。桶川のストーカー殺人事件に象徴されるように。
 だが、この手の「事件」が今世紀に入ってあまりに乱発したこともあって、検察が必ずしも正義とは言えないという見方が、一般に浸透してきたのも確かである。同時に、その検察の絶対的正義を支えてきたのが、検察組織のリーク情報を大きな取材源として事件報道を行ってきた、大手メディアであることも、次第に常識として定着してきた。両者のつながりの要が、記者クラブという場である。そこから閉め出されてきたジャーナリストたちが、インターネットという自ら情報発信できる媒体を得て、記者クラブメディアの発する情報のゆがみを、証明してみせることが可能になったのだ。そうして、ニュースの受け手のリテラシーが上がったために、一体化する官僚組織と大手メディアは信頼されなくなったのだろう。
 私の購読している東京新聞では、昨日(1月17日付)の朝刊が典型であったように、ストレートニュース部分の記事は「作・東京地検特捜部 画・東京新聞社会部」といった印象であった。だが、特報面を開くとその逆を行っている。主にフリージャーナリストへの聞き書きという形で、特捜部の恣意性を痛烈に批判している。ついでに、同じページのコラムで、北大の山口二郎先生も、同様の批判を行っている。本日の論説委員が私感を披露するコラムでも、検察情報によって書かれた記事が情報操作になっていることを指摘している。
 今回の「事件」は、検察と小沢一郎氏のメンツのつぶし合いでしかなく、両者の信じている正義がどうであれ、とばっちりを受けるのは、政治がこの社会の住民のために機能することを望んで票を投じている有権者だ。どちらの側も、いい加減にしてほしい。私たちは、大手新聞やテレビの、巨大な疑獄事件であるかのような報道に、振り回されないことが肝心である。と同時に、民は馬鹿なのだから俺の言うとおりにしていれば政治はよくなるんだよ、という態度で、情報非公開方式で政治を行う小沢一郎氏を、我々はメディアを通じて監視し続ける必要がある。
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by hoshinotjp | 2010-01-18 23:11 | 政治
 最高裁判所こそ、裁判員制度を導入したらよいのではないか。
 マンション内で共産党のビラ配りをした僧侶が「住居侵入罪」に問われた裁判で、最高裁は有罪を確定させた。
 これがマクドナルドのクーポン券だったり銀行のティッシュだったりを配ったのだったら、絶対に有罪にならなかっただろう。「迷惑行為」ではあるかもしれないが、チラシを配ることが犯罪だと感じる人はものすごく少ないはずだ。
 私のマンションの郵便受けにも、政治や宗教のビラが入っていることはあるし、ビラを郵便受けに入れているところに出くわすこともしばしばだけれど、鬱陶しい、わずらわしいと思ってすぐ捨てるものの、「こいつ、犯罪を犯しやがって、許せん」などとは思わない。
 これが有罪になったのは、「共産党のビラ」だったからにほかならない。反政府的な言動を続ける人間たちを恫喝するために、法的な前例を作ることが目的だったと思われる。つまり、ここで警察や司法がやっていることは、チベットやウイグルで中国政府が行っていること、ビルマで軍事政権が行っていることと、「国家に楯突く言動は封殺する」という根本的な性質において違いがない。
 私は共産党には特にシンパシーを感じないが、こういう、民主化されていない政権が発するような判決を前例として残してしまったことは、民主国家として恥だと感じる。
 裁判員制度は、いわば事業仕分け作業に民間人も加わるようなものである。最高裁といえども、聖域にする必要はないのでは? 少なくとも、こんな恥ずべき判決を出す最高裁なら。
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by hoshinotjp | 2009-11-30 22:53 | 政治
 民主党政権、長年の自民党政治の構造を変えるのは大変で、まだまだ時間がかかるからもう少し長期的に見ていこうと思う部分と、どう見てもこれはまずいんじゃないかと疑念を持たざるをえない部分と、さすがに政権が変わっただけのことはあると評価したい面がそれぞれ存在している。
 厚労省や普天間基地の問題は少し時間が必要かもしれないが、郵政に斎藤元大蔵事務次官を据えたのはまずかったと思う。亀井大臣は、小泉以前の、古い自民党が統治していた社会に日本を戻したいと思っている政治家で、根本的に民主党とは相容れない。官僚と一心同体でやってきた自民党政治に、疑問を持たない。にもかかわらず、民主党は亀井大臣の主張をそのまま飲まされている。亀井大臣一人をコントロールできないのでは、巨大な官僚機構などコントロールできないだろう。こうなると、もう少し長期的に見ていこうと思っても、時間が経てば経つほど官僚に取り込まれてしまい、かつての青島都知事のようになるのがオチなのかもしれないとも思う。
 政権の変化で評価できるのは、貧困・失業対策や自殺対策で、現場で活動を続けてきた、ノウハウを持つ者たちを積極的に登用していることである。貧困・失業対策では湯浅誠氏、自殺対策では11月6日に「自殺対策緊急戦略チーム」を内閣府に発足させ、ライフリンク代表の清水康之氏、本橋豊・秋田大医学部長を一員として迎えている。いずれも、自民党政権時代には、政治が何もしない中で、現場で対応策を実施し、地域の行政と連携することを模索してきた人々である。
 師走を前に、自殺対策、貧困対策は緊急事態にある。その窓口として、両者に役立つのが、ハローワーク。いずれも、一度はここに訪れる人が多いので、ここから、それぞれの人が抱えている問題をはっきりさせ、どこに相談したらよいのかアドバイスして、病気、借金、住まいの確保など、さらに専門的具体的な助言や援助が受けられるようにしていく、というもの。
 官僚ばかりではなく、このような人たちの情報と提言を活用していくことが求められている。
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by hoshinotjp | 2009-11-11 17:54 | 政治
 昨日、杉並区の山田区長や中田宏・前横浜市長らが、「よい国つくろう! 日本志民会議」なる政治団体を結成した。その中核メンバーの大半は松下政経塾出身で、来年の参議院選は、いわゆる「松下政経塾」新党で臨んでくるだろう。ひょっとすると、自民党に変わる保守系右派政党になるかもしれない。
 少し前に読んだ山田区長のインタビューから想像するに、「志民会議」の柱は、地方分権、新自由主義、そして国家主義だと思われる。ひと言で言えば、小泉改革路線である。「志民」という名からも感じられるとおり、個人は国家のために自分を犠牲にすべしという考え方が強いようだ。構成員の首長らは、「新しい歴史教科書を作る会」の教科書を採択ないしは重視している人たちである。個人が自ら選択して切り開いていける社会、ということも強調しているが、これが小泉型新自由主義社会下では、自分の面倒は自分で見ろ、貧困に陥ってもそれは自分の責任だ、という自己責任論を意味していることは、すでに私たちは経験済みである。地方分権も、そのような意味での分権ではないかと推測される。
 そうして固定化されていく貧富や経済的地位の格差をどうするのか? 山田区長らの考え方は、新エリート主義を取る。勝ち組には負け組を引っ張る義務があると考えるのだ。新たな男気集団とも言える。トップに立てない人間は愚かなのだから、お国のために身を粉にしなさい、そうすれば頭脳と実行力のある我々が導いてやろう、というわけだ。近ごろの有権者は、上から目線で政治家を判定ばかりして、有能なリーダーに身を委ねようという気概に欠けている、とまで山田区長は言っている。
 要するに、戦前の「革新官僚」のような集団と考えてよい。
 怖いのは、(日米の)民主党がこけると、一気にこの新国家主義集団が熱狂を巻き起こしかねないこと。私も今の民主党を信用はしていないが、人の魂を差し押さえかねない新国家主義者たちに権力を与えることのほうがずっと恐ろしい。新しさと威勢のよさ、弁舌のうまさに騙されないよう、注意して見ていく必要がある。
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by hoshinotjp | 2009-11-01 13:09 | 政治