カテゴリ:政治( 74 )

 今月上旬に各報道機関が世論調査を実施しているが、新聞各紙の調査だと、内閣支持率はどこも下落、「不支持」が上昇して「支持」を逆転している。だが、NHKの調査だけ、「支持」が上昇、「不支持」が減って、「支持」が「不支持」をやや引き離していた。
 たまたま、そういう結果が出ただけかもしれない。しかし、最近のNHKニュースのあからさまな与党寄りの報道を見ていると、つい、疑念も抱いてしまう。今の経営委員会が関係しているのかわからないが、全体として、政権に対してへつらうような印象を強く受ける。
 それにしても、麻生首相が解散総選挙を先送りしたことは、本当に政治的空白を回避したことになるのだろうか。私にはむしろ、現在が政治的空白そのものに思える。経済危機に対応すると言って行う政策が、「困っている人には1万2千円のお小遣いをあげますよ、でも困っていない人は自主的にもらわないでくださいね」。これでカネが流動化し景気が回復するのであれば、私でも首相が務まりそうな気がする。しかも、「お小遣いあげたらお金がなくなるので、のちほど消費税を上げて回収しますからね」と言われて、景気の先行きに安心感を抱く人がいるだろうか? 「1万円あげるから、あとで1万円貸して」と言われているようなもので、結局何もしていないではないか。
 これを政治的空白と言わないで、何と言おう。選挙をして、選ばれた政権が腰を据えて、もっと根本的な政策を打ち出すべきではないのか。何だか、地元の親分がきまぐれにカネを垂れ流しているだけの、どうしようもなく停滞している村にでも住んでいる気分だ。
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by hoshinotjp | 2008-11-12 02:39 | 政治
   ◆アメリカをやめる◆
 アメリカ大統領選まであと数日。一国家の首長選挙とはいえ、世界中にこれほどのダメージを与えてきたのだから、アメリカ国民じゃないけれど投票させろ、と言いたい人は各地にたくさんいることだろう。
 逆に、私のアメリカ人の友人Aのように、その権利を放棄する者もいる。アナーキストを公言するAは、アメリカ北中部の大学で教鞭を取っていた。しかし、言葉では常にリベラルな意見を述べるのに、実際の態度では身近な貧困や差別に目をつむる優雅な知識人たちに、嫌悪を募らせていく。だから彼女の目から見れば、マケイン候補はむろん、そのような知識人たちに支持されているオバマ候補もうさんくさい人間となる。そして今年の夏、カナダに新たな職を得て移住してしまった。「アメリカをやめることにした」と宣言して。
 この、「アメリカをやめる」という言い回しは、アフリカ系アメリカ人のランドール・ロビンソンという人権活動家が、その著作のタイトル(Quitting America)として使った言葉だという。彼もアメリカから、カリブの小国へ移住したのだ。
 無政府主義者であるAの「アメリカをやめる」宣言は、民主党か共和党かという選択ではなく、両者の共犯の歴史を根本から批判するものだ。これ以上アメリカの犯す罪に荷担しない、という意思表示でもある。
 私もそのような気持ちで、日本をやめたい。けれど、無政府主義者でも有政府主義者でもない私は、「まずは政権を選ばせてくれ」と独り言をつぶやくのがせいぜいである。
(東京新聞 2008年10月31日付夕刊1面「放射線」より、一部改稿)


 アメリカ大統領選はオバマ候補が当選した。共和党政権が続くよりはマシな結果だとは思う。演説がうまいから、当選のスピーチもなかなか感動的だった。でも、どこまで根本的に変えようというのかは、まだわからない。私の意向などどうでもよいのだけど、私はこの人をまだ信用していない。
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by hoshinotjp | 2008-11-05 23:37 | 政治
 今朝の東京新聞特報面(21面)で、北大の山口二郎先生がコラムで取りあげていた、不当逮捕の映像はこちら
 麻生首相の家に行こうと渋谷の街で呼びかけていたら、警察に逮捕されたというもの。この「デモ」を主催していた人たちに共感するかどうかは別として、この映像、及び、YouTubeにアップされている関連映像を見ると、警察はその気になればどんな口実でも人を逮捕できるという性質がよくわかる。それを、社会やメディアや公的機関や司法が合法と見なせば、合法になるのである。それはもともと、暴力だからだ。そのあたりの原理的な分析は、萱野稔人氏の『国家とはなにか』が明解だ。
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by hoshinotjp | 2008-11-03 13:31 | 政治
 世界の金融危機を誰よりも一番喜んでいるのが、麻生首相らしい。これで、思ったより支持率が低いまま衆院解散をしなければならない事態を回避できるだけでなく、「外交とか経済、これは麻生太郎が最も今、政治家の中では使える、と俺自身はそう思っている」と、なかなかご機嫌のようなのだ。
 それもそうだろう、「経済危機打開のために」という堂々たる大義名分のもと、税金を使いたい放題使えるのだ。もともと、役人と二人三脚でお金をばんばん使えば景気はよくなる、と信じている人なのだから、俺が首相になったとたん世界恐慌が来てくれて俺も運がついているなあ、というところだろう。
 むろん、財源のことなんか、考えない。景気がよくなれば税収が増えるんだから、心配するな、「将来は暗い、みたいな顔、するなって。暗い顔をしてるやつはモテない。モテたきゃ、明るい顔をしろ」。明るいからモテるうえ、うなるほど金を持ってるし、金の出所なんか心配したことないし、そんなの心配するのは暗いやつ、というわけだ。
 そんな具合に麻生首相が幸せであるのは何よりなのだが、私たちは自分の明日のことを考えなければならない。金の出所を心配しないわけにはいかないから。
 もちろん、急激に進行するこの経済危機に対しては、対症療法的な大規模の政策が求められるだろう。けれども、同時に、保険とか年金とか病院不足とか、これから長いスパンで解決していかねばならない問題を放置してはいけない。これらは結局自分たちの首を締める社会基盤だ。これらを、付け焼き刃の対症療法でしのごうとした結果が、現在ではないのか。
 そうならないためには、私たちが信任した政権に、じっくり取り組んでもらう必要がある。今の麻生政権は、信任を得ていない、とりあえずの内閣だ。だから、どんな政策を打ち出しても、来るべき選挙ための政策になってしまう。今、最もよろしくないのは、税金を「経済危機」の名のもとに場当たり的な政策に過剰につぎ込むことだ。
 危機のさなかに選挙をしている場合か、という意見にも一理はあろう。でも、場当たり的な政策しか打ち出せない短期期限の暫定内閣に、本腰を入れた危機対応ができるのか、と思う。任期を迎える来年の8月には、さらに世界の経済が緊急事態に陥っている可能性もあるのだ。私はこのような経済危機の暗闇の中を、気分だけはイケイケのその場しのぎ内閣に先導されていることのほうが、よほど不安である。
 しかも、公的資金投入のハードルを低くして、何と、都市銀行東京の危機を救おうという話まであるというではないか。都民の税金を無駄にした父親の愚行を、息子が国の税金を使って救おうという、二代目による国家財政の私物化の極みみたいなことまで許されるとしたら、二代目でも政治家でもない人間たちの存在は、何なのだろう。
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by hoshinotjp | 2008-10-26 22:36 | 政治
 2年前の今ごろ、ロシア人ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤが暗殺されたことは、先週、この日記でも書いたばかりだ。そのふた月後に核物質を紅茶に盛られて殺されたリトビネンコの命日も、近づいている。
 そして今また、こんな事件が起こっている。
「反プーチン派弁護士の車に水銀?」

 いずれも、暗殺されているのは、プーチン政権の政敵ではない。ごく普通の生活者であり、ただ、見て見ぬふりができないだけの人たちだ。これは日本の隣の国で起こっていることなのだ。
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by hoshinotjp | 2008-10-18 00:12 | 政治
  ◆ロシアの良心◆
 十月七日は、私が世界で最も尊敬するロシア人ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤの命日である。二〇〇六年のこの日、プーチン政権の闇を暴き続けてきたポリトコフスカヤは、自宅前で何者かに銃で暗殺された。
 四年前に彼女の『チェチェン やめられない戦争』を読んだとき、勇気ある衝撃のレポートに感銘を受けると同時に、その歴史観に驚いた。冒頭には、一五〇年前に書かれたトルストイの小説が引かれているのだが、チェチェン人との戦いを描いたその一節は、現代のチェチェン戦争そのままだったのである。
 明治維新後、富国強兵を強引に実施した日本は、その急激な近代化の矛盾に苦しむことになる。そのときに明治の知識人たちが心の拠り所としたのが、トルストイの徹底した平等同主義だった。そのトルストイは青年時代、途上国ロシアが急速に近代化を進める中で、チェチェン地方を植民地化する戦いに兵士としておもむき、近代化の矛盾を実体験したわけだ。やがて、新興国としてのし上がってきた日露が戦争に至るのは、ご存知のとおり。日本はあの戦争を通じて、ナショナリズムを確立させることになる。
 今、日露の関係はよくも悪くもない。だが、両国とも「愛国教育」を過熱させており、何らかの摩擦が起これば、相手を敵視することもありうる。日露戦争の記憶が召還され、ナショナリズムを激しく高揚させるかもしれない。
 そんな愚かな歴史を繰り返さないためにも、私はポリトコフスカヤを読み返す。
(東京新聞 2008年10月3日付夕刊1面「放射線」)

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by hoshinotjp | 2008-10-07 16:45 | 政治
 党内からも苛烈な非難を浴び、辞任する肚が決まった中山文科相は、開き直って日教組への罵倒を述べ立てたが、国土交通省の抱える課題については、形式的に道路問題に触れた以外は、ついぞ言及されなかった。国交省の行政など、まったく眼中になかったらしい。国交大臣として、日教組をぶっつぶそうとしたのか? 管轄違いでは? 
 そんな人物をお門違いの大臣に据えること自体、有権者をナメている。場違いな大臣のいる省庁は、官僚のしたい放題であり、その結果、国民のためではなく官庁自身のための行政をして狂っていくさまは、ついひと月ほど前、農水省と太田誠一大臣との態度で見たばかりではないか。中山大臣が居座っていたら、同じような事態が起こっただろう。
 これを繰り返して、自民党政権は官僚天国を放置し、社会保険庁のようなあきれた事態を見逃してきた。官僚と「いい関係」を築きたがっている麻生内閣は、昔の自民党のような、官僚の裁量を認める政治を復活させようということだ。
 この内閣には、中山大臣のような場違いの大臣が、他にもたくさんいる。有権者の生活を改善することを優先した内閣だとは、とても思えない。この内閣には、官僚をコントロールする気など本当はないのだ。少なくとも、閣僚の人選を見る限り、首相のそのようなメッセージが伝わってくる。
 小泉元首相が引退し、息子を後継者指名したことに、「普通の親だった」と失望の声がたくさん上がっているが、息子を後継候補に立てると「普通の親」だ感じるという感覚が私には信じられない。そんな「普通」でも何でもないことを、「普通」と言ってしまう社会だから、政界始め、どこへ行っても二世三世があふれる社会となっているのだ。小泉首相自身が議員一族の3世である。彼にとって、「自民党」と「小泉家」は神聖冒さざる聖域だ。「自民党をぶっ壊す」といっていたのは、本当は「経世会(田中派)をぶっ壊す」であり、何よりも大切なのは「自民党」の存続と「郵政民営化」だ。特権階級としての自民党代議士世襲権を放棄するつもりなど、さらさらないことは、前回の選挙でわかっていたはずだ。
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by hoshinotjp | 2008-09-27 23:48 | 政治
 納豆に続いて、今度はバナナだそうだ。ダイエットできる食べ物として客が殺到、品切れの店もあるという。森公美子が朝バナナダイエットでこんなに痩せた、バナナならまるで苦痛にならないというその番組を、チャンネルを替えているときに私もたまたま目にした。翌日スーパーで、すっからかんになったバナナ売り場を目にして、あきれる。
 人々がこうだから、政治に騙されるんじゃないのか? 苦い記憶だとか、失敗したときの教訓だとか、そういう安全装置がなぜ働かないのか。政権を放り出す首相が二回続いているのと、このような消費行動を繰り返す「庶民」とが、私にはダブって見える。
 一度の失敗は仕方がない。許容されるべきだろう。けれど、二度、三度と繰り返すのであれば、これは当人に問題がある。オシムもそう語っていた。
 麻生首相およびその内閣の閣僚がこれまでしてきたこと、態度、姿勢を思い出せば、誰のために政治をしているのか、一目瞭然だと思う。世襲の貴族仲間を重視するあまり、何でもいいから大臣になってもらったりしているのだ。鳩山邦夫議員は、法務大臣を断った結果、なぜだか総務大臣に就任した。そして、増田前大臣との引き継ぎで平然と、「自分はこの分野は素人だ」と放言した。そういった人が官僚を「使える」と思うのか? 生活に苦しむ人の観点で政治を行うと思うのか? 景気対策のために金をばらまいてやると言われれば、有権者はそれで気が済むのか?
 中山国交相も暴言を連発。この人はどの省庁のトップになっても、その役所の本当に大切な政策課題よりも、「市民派つぶし」しか頭にないらしい。成田空港の反対住民に対しては「ゴネ得」「公のためには自分を犠牲にする公共精神がないせいだ」。これでは、北京五輪のために住民の家屋を強制的につぶしまくった中国政府のメンタリティと変わらない。「公」とは、住民ではなく、「国家」「政府」だと思っているらしい。「オカミの決めたことにごちゃごちゃ文句を言う戦後教育はけしからん」ということのようだ。大分県教委の不正問題も、「日教組の子どもは成績が悪くても先生になる。だから大分県の学力が低い」などと述べているが、私は、「自民党の子どもは成績が悪くても政治家になる。だから自民党の能力は低い」と言いたい。
 これほど、自分たちの権益のことしか頭にない面々がそろった内閣なのに、各種の世論調査では支持率が5割近く。有権者は自ら、騙されに行っているとしか思えない。
 強大な権力を委ねる相手なんだから、もうちょっときちんと人物調査をしてから、支持・不支持を決めてほしいものだ。さもないと、有権者はいいカモの群れになる。

 その後、中山大臣は陳謝。しかしあの発言内容からして、国土交通省のトップとして行政を取り仕切る立場にないことは明らかだ。国土交通省の仕事を何も知らないのだから。つまり、まったく適さない人材を、首相が自分の仲間だからという理由で置いているような内閣なのだ。これがかれらの言う「国民目線」か。
 もう一点、「誤解を招くような言い方」と言うが、誰も「誤解」などしていないし、しようがない。あれは中山大臣の率直な考え方なのだから。本当に思ったことを口にしているだけなのだから。あの発言が社会で問題視されるなら、社会で問題視される不適切な考えを持つ人物が大臣になっている、ということだ。そういう内閣を、私たちは受け入れていいのだろうか?
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by hoshinotjp | 2008-09-26 11:16 | 政治
 麻生内閣発足。顔ぶれを見て、「なんだ、『総理大臣ごっこ』か」と思った。お坊ちゃんたちが「俺、総理大臣だぜ。おまえ、財務大臣ね。本物だよ、本物」などと、はしゃいでいるのだ。「世間知らず内閣」とでも名づけようか。どうせなら、親友の安倍晋三議員も仲間に入れてあげればよかったのに。農水大臣かなんかで。
 今、日本で最も世の事情がわかっていない人を集めたら、この内閣ができるのではないか。どうせ世間なんかわからなくても、何も困らない人たち。
 各省庁の官僚たちは、ほっとしただろう。一部を除き、官僚のやることにとても理解のある大臣たちばかりで。仲よく「使って」欲しいと、安堵していることだろう。
 それにしても、福田前首相が辞意を表明したときから、こうなることは自民党内でほぼ決まっていたシナリオだったのに、「さあ、結果はどうなるんでしょう? 請うご期待」とばかりに、連日欠かさず総裁選を報道してきた報道機関は、何を考えているのだろう? 言論の自由を自分で放棄しているとしか思えない。出来レースの選挙(しかも単なる一団体の組織内部の選挙)を毎日こと細かに見せられ、その紙面・番組にお金を払うなんて、じつに馬鹿馬鹿しかった。シナリオどおりなんだから、結果だけの報道で充分ではなかったのか?
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by hoshinotjp | 2008-09-24 23:08 | 政治
 リーマン・ブラザーズが破綻した。これは1929年のような大恐慌の発端なのかもしれない。私だけではなく、おそらく世界中の人がそのような底なしの不安を抱いていることだろう。
 経済にうとい私が自分なりに解釈すると、アメリカ主導で進めてきたグローバル経済、新自由主義経済がとうとう限界に来て、破綻したということではないのか。もともとカネのない層から「自由に」カネを搾り取ってきた(ただで労働力を搾り取るのも同じこと)のであり、もうこれ以上搾り取ろうとしても一滴も搾れなくなったのだ。サブプライム・ローンのようなシステムが、いつまでも続くわけがないのだ。
 恐慌が起こったら、ブッシュ大統領はアメリカ史上でも最高の愚者として歴史に残るだろう。石油で金儲けしようとしてイラクに戦争を仕掛けて失敗し、莫大な戦費を出費し続け、史上最悪の財政赤字を膨らませ、その結果、サブプライム・ローンで金融不安が起こったときに、もう対処する金をなくしてしまっていた政権。
 例えば自民党の麻生幹事長は、景気対策に赤字国債をばんばん発行するべきだと主張する。つまり、カネがないならいくらでも借りればいいだろという、きわめて刹那的な発想だ。限界を越えた借金が、本当の経済危機のさいには爆弾に変わることを、今のアメリカは示している。アメリカにはルーズベルトのような大統領が今は必要とされているのかもしれないが、オバマ、マケイン両大統領候補とも、基本的には現状のグローバル路線をやや穏和にして守り続けるだろう。ネオコンよりもタカ派の極右であるペイリン(この人はちょっとセクトの教祖じみている)だけは、戦争してでもカネを奪えと言うかもしれないが。
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by hoshinotjp | 2008-09-16 21:24 | 政治