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 25年ぐらい前、『東京に原発を』という本があった。フリージャーナリストの広瀬隆氏が、原発反対の立場から、「原発が事故の可能性は少なく安全ならば、一番電気を使う東京に立てれば合理的じゃないか」と反語的に述べ、原発のリスクを当事者だと思っていない当事者に考えさせる本だった。
 この本に倣って、私は「東京に米軍基地移設を」と述べたい。「抑止力」なるものの恩恵を受ける人が最も多い地域の人間が、最もリスクを負うのが自然ではないのか。代々木公園か新宿御苑をつぶして滑走路を造るとか、湾岸をさらに埋め立てるとか。辺野古を埋め立てるというのは、そんな事業に匹敵するだろう。むろん、これは半分はレトリックだから(半分は本気)、軍としての効率など考慮に入れていない。
 ただ、軍としての効率の観点から辺野古じゃなきゃ駄目なのだ、という理屈も、なにやら怪しい。今朝の東京新聞に「「抑止力」になってる?」という記事が出ていて、これを読むと、海兵隊の大半が長らくイラクやアフガンに駐留、日本に残っているのは3分の1ぐらいだというのだ。主力をグアムに移しつつある海兵隊は、自民党政権時代に日本の要望で形だけ少数残っているのが実情らしい。
 つまり、実際のところ米軍の存在は日本にとってどのぐらい有用なのか、私たち一般人はろくに知らないということだ。
 鳩山首相の無能を責めるのはもっともだ。私だって、この人は首相として能力を欠いていると思う。だが、鳩山首相が無能だから、移転は無理でしょう、という話ではもう済まされないのだ。そう言えるのは、基地が自分のところに来るはずがないと思っている立場だからだ。そのお気楽さは、鳩山首相のお気楽さよりもたちが悪い。米軍基地を沖縄に集中させてきたのは、私たち有権者の無意識でもある。そのことを自覚しなければならないのが、今回の普天間問題解決の第一歩である。今回の移転問題以降、私たちはもう無意識に忘れてしまうことは許されない。
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by hoshinotjp | 2010-05-10 23:11 | 政治