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2008年 10月 05日 ( 1 )

   ◆カタログ世代◆
 原稿書きが行きづまったときなど、ふと気づくと、デジカメの新製品情報をインターネットで調べて現実逃避をしていることが多い。写真を撮るのは子どものころからの趣味なのだが、それと、カメラ情報を収集し続けることとは、じつは無関係だ。新しいカメラが必要なわけでもないし、買いもしない。ひたすらカタログ的な知識を得ていれば安心するのである。
 この傾向は、かつて「新人類」と呼ばれた私たちの世代に共通するように思える。
 例えば私の中学時代、世は高級ラジカセブームで、友だちとともに私も、暗誦できるほどカタログを読み込んだ。高校や大学に進めば、誰もがファッション雑誌でブランド情報をチェック。それに従って、服を買い食事に行き、恋愛を真似し、旅行をした。カタログ雑誌の全盛期だった。服飾ブランドや車やオーディオを語れることが、人間関係を維持するコツだと思い込んだ。それが絆だったとは、何とはかないことだろう。
 この世代は、バブル経済崩壊後もそのブランド志向の消費スタイルを変えようとはしない(名門私立志向の親となる、など)。なぜなら、骨の髄まで染みついた習性として、いまだにカタログを見ずには行動の指針が決められないからだ。
 私の世代のこの消費形態が、グローバル経済を支えていることは言うまでもない。私はあまり消費をしないほうだが、カメラ情報中毒の症状を発するたびに、間違いなく大量消費世代の一員だと、思い知らされるのである。
(東京新聞 2008年9月19日付夕刊1面「放射線」)

 ちなみに、今、心を奪われているのは、キヤノンのEOS 5D Mark2。コンタックスのレンズの使えるデジタル一眼レフが欲しい……
by hoshinotjp | 2008-10-05 22:01 | 身辺雑記